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天の食楽

大石いも(やまといも)


天の食楽 大石いも(やまといも)

大石いも(やまといも)

大石いも(やまといも)イメージ

大和芋より強い粘り気と濃厚な味が魅力の大石いも

富士河口湖町の特産品に、“ 大石いも” と呼ばれる大和芋がある。大石と言っても、大きな石のような形をしているわけではない。大石地区で作られることから、こう呼ばれるようになった。

「大石じゃあ、昔っからこの芋が作られていてね。最初は誰かが山から自然薯を採ってきて、それをだんだんに増やしたっちゅう話だけんど、この地区の火山灰土が、きっとこの芋に合っているんだよね。おもしろいもんで、同じ富士北麓でも、他で作ると形が崩れるんだそうだよ」と話すのは、大石野菜出荷協議会やまといも部会の堀内真さん。御歳80 歳。大石いも作りの名人だ。
もともと大和芋は、同じヤマノイモ科の長芋に比べて粘り気が強く、風味もあり、滋養強壮にも優れる。ところが大石いもの強い粘りと濃厚な味は、さらにその上をいくという。その格別な味わいから東京の有名料亭で食材として使われたり、すりおろして汁物に入れても簡単には崩れないことから、県内はもちろん、長野の蕎麦屋でも、とろろそばに重宝されたりしているという。

堀内真さん 堀内真さん02
大石野菜出荷協議会やまといも部会の堀内真さん。とても80 歳には見えない若々しさ。

2年間、ふかふかの畑で、手間暇かけて大切に育てる。
だから大きい、だから美味しい。

河口湖を背に、曲がりくねった道を山に向かって登っていくこと約10分。堀内さんが案内してくれた畑は、湖を見下ろす高台にあった。車を降りて振り向くと、真正面に富士山が見える。大石いもは、この美しい場所で、2年の月日をかけて育てられる。
「5月の連休頃、畑に“ むかご” を播くと、そこから芽が出て、ツルになって…。そんときに、地面の中では、芋が育っているっちゅうわけ」。収穫は、11月から12月の頭くらいまで。1年目の芋はそのまま倉庫に入れ、冬の間、凍みないように大切に保存しておいて、翌年の春また土に戻す。そして2年目の晩秋、立派に育った芋だけが、市場へと送り出されるという。
「ここに埋まっているのが、2年目の芋だ。さっそく掘り起こしてみるかい」。そう声をかけてくれたのは、堀内さんと同じやまといも部会の鎌倉強正さん。鎌倉さんも、この道40 年を超える大ベテランだ。「そんな遠くで見てないで、入って来い。大丈夫だから」。そう言われて、畑に足を踏み入れて驚いた。やわらかい。ふかふかとした感触が、靴を通して足の裏へと伝わってくる。「大石いもの畑は、“牛の鼻”っていわれるんだよ。知ってるかなぁ?牛の鼻って柔らかいんだよ。それで、それと同じくらいの柔らかさが大石いもにはちょうどいいってことで言われるようになったらしいよ」。言いながら、鎌倉さんが細長いスコップを踏み込む。サクッと爽快な音を立てて深く入り込んだスコップ。掘り起こした土の中から、立派な大石いもが姿を現した。

大石いもが育つ 鎌倉強正さん
富士山の麓 富士を見ながら大石いもが育つ。 やまといも部会の鎌倉強正さん。

上手が作ると一升瓶、下手が作るとリポビタン!?

掘り起こした大石いもを眺めながら、「よく召し上がるんですか?」と尋ねたところ、「そりゃあ自分とこで作ってるんだもん、しょっちゅう食べるさ。今朝も食べて来たよ」と元気な答え。そこでお勧めの食べ方を聞くと、「やっぱりとろろが一番だね。すりおろして、白い飯に掛けたり、うどんに入れたり…。朝食べると、力が湧いてくるよね。あと、厚めに切って、バターで焼いて醤油をかけた大石いもステーキなんてのもあるね」。「サイの目に切ってキムチの素で和えても美味いよ。あと、家あたりじゃあ、千切りにして天ぷらにもするね」と、口ぐちに、美味しそうなメニューが出てくる出てくる。なるほど、お二人の元気と若々しさの秘密は、この大石いもにあるらしい。お二人によれば、大石いもは手のかかる作物で、天候にも左右されやすいという。「『上手が作ると一升瓶、下手が作るとリポビタン』って言ってね、大きい物の方がおいしいんだけんど、それを作るのが難しい。もう40 年もやってきているけんど、いつになっても1 年生だね」と鎌倉さん。それだけに、後継者不足は深刻で、「昔はどの家でも作っていたけんど、いまじゃあ6軒のみ。幻の芋なんて言ってもらえるのは嬉しいけんど、もう10年もすれば、本当に幻の芋になっちまうかもね。みんな、年寄りばっかだから」。堀内さんの言葉に、鎌倉さんも「そうだね。俺らの頃は親の畑を継ぐのが当たり前だったけど、今は違う。この先ずっと続けていくのは難しいやね。今のうちに、せいぜい食べてもらわんと」。笑顔で話すお二人。

りっぱな大石いも
掘り起こしてくれたりっぱな大石いもの前で。

産地ならではの珍味=“むかご”にも注目!

ところで、5月の連休頃に播く“ むかご” とは、球芽のこと。小指の頭くらいの大きさで、一見、小さな芋のように見える。9月頃、葉の付け根にでき、やがてこぼれ落ちて、翌年、新たな命を生み出す“ むかご” は、厳しい環境の中で効率的に子孫を残していくための、野生の植物の知恵とも言える。実はこの“ むかご”、それ自体もたいへん美味な、産地ならではの珍味。ご飯と一緒に炊いたむかごご飯は有名だが、他にも、煎ったり、揚げたり、炒めたり…いろいろな楽しみ方があるという。9 月頃、地元のスーパーや物産館に登場するので、こちらも注目だ。

むかご
珍味のむかごこちらもおいしい。
すりおろした大石いも
すりおろしたとろみ抜群の大石いも。

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●JA北富士
山梨県南都留郡富士河口湖町船津3463-1
0555-72-1439

大石いもは、河口湖北岸のJA物産館や道の駅、地元スーパーなどで購入できます。

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