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天の食楽

吉田のうどん


吉田のうどん

吉田のうどん

吉田のうどんイメージ01

“ うどん” とは、一味もふた味も違う、“ 吉田のうどん”

富士吉田市の名物といえば、吉田のうどん。市内には、60 軒を超えるうどん屋があり、昼時ともなれば、人気店の前には長い列が出来るほど。吉田市民にとって、うどんは、愛して止まない郷土食。赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんに至るまで、誰もがみんなよく食べる。
ところでこの“ うどん”、普通のうどんとはかなり違う。まず第一に麺が違う。ミネラル分がたっぷり含まれた、清廉な富士山の伏流水をたっぷり使ってしっかりと打ったうどんは、驚くほどコシが強く、もちもちとしている。うどんは喉越しとよく言われるが、吉田のうどんは、噛めば噛むほど味が出て、それはそれは食べ応えがある。次に、汁。煮干しや昆布、カツオのだしに、酒やみりん、醤油を加え、味噌で仕上げるのが、吉田流。さらに、具も違う。店によって差異はあるが、欠かせないのが、茹でキャベツ。甘味のある太千切りの茹でキャベツが、太くて硬いうどんと、味噌仕立ての汁の味を引き立てる。そして最後に、薬味。うどんの薬味といえば、長ネギや七味が一般的だが、吉田のうどんでは、“ すりだね” とも呼ばれる、唐辛子の粉に、ゴマ油やラー油といった油分を加え、ゴマ、山椒、生姜、季節の香味山菜などを加えて練り合わせたものを使う。
ちなみに、材料も作り方も、その店のオリジナル。辛味の一種ではあるものの、店によって風味はかなり異なる。
変わっていると言えば、店構えもおもしろい。ほとんどの店は、靴を脱いで上がるお座敷スタイル。
畳敷きの大広間にいくつものテーブルが並んでいるので、適当な場所を選び、座布団を敷いて座る。大広間には、テレビがあったり、ポスターやカレンダーが飾られていたり…。なかには、食器棚やサイドボード、仏壇、こたつが置かれていたり、学校で褒めらた子供の習字や絵、賞状なんかが貼ってある店もある。店と言うより、まるで、知人宅にでも招かれたかのような雰囲気なのだ。

吉田のうどんイメージ02富士山の水が吉田のうどんの麺に生きている。

富士吉田市に伝わる、うどん文化

富士北麓は、その冷涼な気候と溶岩や火山灰の多い土壌から、昔は米を作ることが出来ず、代わりに小麦が作られていた。そのため、粉食文化が発展したと言われているが、なかでも、小麦をたくさん使ううどんは特別で、結婚式や祝い事など、ハレの日の食事としても用いられてきたという。
では、なぜこんなにもコシが強くなったのか。江戸時代から昭和初期にかけて機織りが盛んだった富士吉田では、女性は機織りを担当する大事な働き手。そのため、炊事は男性の仕事で、うどんも、力の強い男性が打ったからコシが強くなったといわれる。織れば織っただけお金になった時代。昼夜を問わず、時間を惜しんで機を織る女性にとっても、短時間で食べることができ、腹もちもよいうどんは、好都合な食事だったのだろう。そういえば、とてもシンプルで力強い吉田のうどんは、どこか男性的な感じがする。
さらに、味噌仕立てにも理由がある。富士北麓の冬は寒く、日中でも氷点下という日が珍しくない。
今のように暖房器具が発達していなかった時代、身体を温める効果のある味噌仕立てにするのは、ごく当たり前の生活の知恵だったと言える。
麺、汁、具、薬味、そして、店構えまでが独特の吉田のうどん。富士北麓の気候風土に根差し、長い歴史の中で培われてきた“ うどん文化” は、親から子、そして孫へと受け継がれている。と同時に、新しい風を吹き込む店も、次々と登場しているようだ。

吉田のうどんイメージ03お昼しか営業しない吉田のうどん店は、この時間まさに戦場の忙しさ。

地元で人気のうどん店“ 麺許皆伝”

朝10 時、“ 麺許皆伝” では、開店を前に、慌ただしく準備が進んでいた。湯気が立ち込める厨房。ご主人は、汁の仕上げに余念がない。調理台の上には、茹でキャベツや刻みネギといった具や、トッピング用の天ぷら、わかめ、きんぴらなどが並んでいる。炊飯器のブザーが、炊き込みご飯の炊きあがりを告げる。奥さんが蓋を開けると、フワーッと美味しそうな匂いが広がった。
ご主人の三浦保雄さんがお父さんと一緒に“ 麺許皆伝” を開いたのは、17 ~ 18 年ほど前のことになる。「もともとうちのオヤジは製麺所をしていたのですが、私が社会人になるのを機に、うどんが好まれる吉田で一緒にうどん屋を始めようということになりまして」。当時は、“ はなや”や“ 白須うどん” といった古くからの店が7 ~ 8 軒あっただけ。うどんを食べる習慣はあったものの、今ほどの盛り上がりはなかった。「ちょうど、市役所がうどんマップを作り、吉田のうどんをこれから広めていこうという時期でした。うちのこだわりは麺。従来の吉田のうどんとも、讃岐のうどんとも違う、うちのオヤジの打つ麺で勝負するつもりでした。でも、一般的な吉田のうどんに比べると柔らかいため、最初はなかなか受け入れてもらえなくて…。開店から一年くらいは、『これは吉田のうどんじゃない』と言われたり、お客さんがまったくいらっしゃらない日もありましたね」。それでも、麺を堅くしようとは思わなかった。するとそのうち、若い世代を中心に、一人二人と常連客が増えていったという。「創業当時から、吉田のうどんに囚われず、地元のお客さんにも、県外からのお客さんにも、美味しいと言ってもらえるうどんを作るというのが、うちのポリシー。麺へのこだわりも変わりません。それにしても、麺は奥が深くて難しいですね。今、自分が打っているのですが、オヤジの麺には到底敵わない。毎日打っているのに、日々違うんです。まだまだ精進です」と三浦さん。「せっかくだから、何か召し上がってみてください」との言葉に、茹でキャベツと刻みネギが乗ったかけうどんに、肉、ちくわ天、わかめ、きつねが乗った一番人気の“ 欲張りうどん”と、きんぴらをトッピングした“ きんぴらうどん” をいただくことにした。実は、“ 麺許皆伝” の人気の理由は、こだわりの麺も然ることながら、豊富なトッピングにもある。直径20cm ほどもある特大のかき揚げ天をはじめ、肉、ちくわ天、味付け半熟玉子、キムチ、わかめ、きつね、きんぴら、生玉子、唐辛子漬けなど、何にしようか迷うほどだ。

吉田のうどんイメージ04この大きなかき揚げも麺許皆伝の名物。限定20 食。吉田のうどんイメージ05吉田のうどん通は「かけ」とこの「つけ」の二杯を食べる!コシの強さを味わうなら「つけ」吉田のうどんイメージ06人気の欲張りうどん。上に乗っているのはちくわ天。

オーダーから10 分ほどで、アツアツのうどんが運ばれてきた。煮干しの香りが食欲をそそる。
まずは汁を一口。醤油と味噌のバランスが良く、とても上品な味がする。続いて麺へ。吉田では珍しく、半透明で艶があり、太さが揃っている。コシがあり、口に入れるともちもちとした歯ごたえで、とても美味しい。
夢中で食べていると、開店時間になった。暖簾を出す奥さんと入れ替わりに、若者のグループが入ってくる。帰省中の大学生だろうか。勝手知ったる調子で席に着いた彼らから、「久しぶりだなぁ」「またしばらく食べられなくなるから、食べ貯めしておかないと(笑)」といった会話が聞こえてきた。ニューウェーブと言われた“ 麺許皆伝” のうどんは、彼らにとってすでにふるさとの味になっているのだと、なんだか胸が熱くなった。

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●麺許皆伝
富士吉田市上吉田849-1 TEL 0555-23-8806
営業時間 11:00~14:00(麺が無くなり次第終了)
定休日 日曜日
かけうどん 300円 つけうどん 350円 欲張りうどん550円

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●吉田のうどん
店舗一覧は、ふじよしだ観光振興サービスのホームページで見ることができます。
http://www.fujiyoshida.net/
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