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ヒメマス


ヒメマス

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ヒメマスイメージ01

冷たくきれいな水でしか生きられないヒメマス

原生林に囲まれた静かで美しい西湖。富士五湖のなかでは、本栖湖に次いで水深があり、透明度も高い。その西湖に、ヒメマスが棲んでいる。
「ヒメマスは、冷たくきれいな水の中でしか生きられない特別な魚。全国でも18 漁業でしかやっていません。西湖は、その南端にあたります」と教えてくれたのは、西湖漁業協同組合の三浦久組合長。西湖漁協では、毎年、ヒメマスの卵を阿寒湖から取り寄せ、孵化させた稚魚を、5 月に放流している。「放流する時点での稚魚は、1匹10g 程度。それが、2 年かかって200g位まで生育して、やっと食べ頃になる。成長も遅いんです。でも、湖の中には、40 ㎝、50 ㎝という大物もいますよ」。ヒメマスの魅力は、姫の名にふさわしい、鮮やかなピンク色の身。淡水魚特有の臭みはまったくなく、塩焼き、フライ、唐揚げにしてももちろん美味しいが、とりわけ刺身は絶品だという。
西湖には、このヒメマスを求めて、多くの釣り客が訪れる。「解禁は、3 月20 日から5 月31 日までと、10 月1 日から12 月31 日まで。西湖には、うなぎ、アユ、ハヤ、ワカサギ、ヤマメ、ヘラブナ、ブラックバス、コイなど、いろんな魚がいるのですが、やはり一番人気はヒメマスで、なかには、毎週のように来られる方もいますね」。三浦組合長によれば、水がきれいで冷たい西湖で育った魚は、ヒメマスに限らず美味しいという。

ヒメマスイメージ02富士五湖で一番透明度が高い西湖。

奇跡の魚 クニマスの発見!

西湖と言えば、昨年はクニマスの発見が大きな話題となった。クニマスは、かつて秋田県の田沢湖にのみ生息していたが、昭和15 年に絶滅したとされていた幻の魚。それが70 年も経って、遠く離れた西湖で発見されたというのだから、驚きだ。三浦組合長は言う。「ヒメマスはベニザケの陸封型なのですが、クニマスもまたベニザケに近い仲間で陸封型であることから、両者はとてもよく似ていて、我々では区別がつきません。一番の違いは体の色で、ヒメマスが美しい銀色なのに対し、クニマスはもっと黒いそうなんですが、ところが、産卵期のヒメマスもまた、黒っぽく変色するんですよ。そんなわけで、以前から、黒いマスがかかることはあったんですが、地元ではそれをクロマスと呼んで、ヒメマスの一種だろうくらいに思っていたんですね」。ちなみに、陸封型とは、本来は海または海と陸水を生活の場とするはずが、何らかの理由で陸水だけで成長し繁殖するようになった水生動物のこと。本来、海へ下って成長し、産卵をする降海型のサケ・マス類が、河川や湖に留まったまま成長・産卵を繰り返せば、小型化するなどその環境に見合うよう生態も変化するのだという。

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奇跡の魚 クニマス
上がヒメマス 下がクニマス
写真提供 富士河口湖町
西湖漁業協同組合の三浦久組合長

「今回、京都大学の中坊徹次教授やさかなクン(東京海洋大学客員准教授)らによってクニマスが発見されたわけですが、その調査の過程で見つかった何枚かのハガキから、かつて秋田県と山梨県の間で魚卵の売買があったことや、田沢湖から西湖と本栖湖に川魚の受精卵を送ったこと、クニマスの卵が山梨県にも斡旋されたことなどがわかったそうです。それで思い出したのが、西湖には、大正末期から昭和初期にかけて、山梨県からの委託を受けたマス小屋があったという話です。このマス小屋というのは、いくつも生簀を作り、北海道などから購入した卵をそこで孵化させて、西湖に放流するという仕事で、私のおじいさんもやっていたのですが、まあ、今でいう養殖のはじまりですよね。残念ながらこの辺りは水害の影響で当時の文献は残っていないものですから、今となっては推測するしかないのですが、田沢湖にしかいないはずのクニマスが西湖にいたということは、そのときにクニマスも放流されていて、そのまま人知れず生息していたのかなぁと」。三浦組合長によれば、以前にもクロマスを山梨県の水産技術センターに持ち込んだことがあったが、そのときはよく調べた上で、クニマスではないということになったそうで、「今回の発見も、さかなクンから我々のところに『産卵期で真っ黒になったヒメマスを分けて欲しい』との依頼があったので何匹か送ったところ、その中の一匹がクニマスと認定されたわけですから、まさに奇跡としか言いようのないような、不思議なロマンを感じます」。
その昔、クニマス1 匹は、米一升と同じ値段がつくほどの高級魚だったという。どんな味をしているのだろう?今は本格的な調査が始まったばかりだが、近い将来、ヒメマスと同様に西湖の名物となり、その味も楽しめるようになればと、期待が膨らむ。

ヒメマスに魅せられて…

12月最後の週末、もうすぐ禁漁期となる西湖を訪れた。今にも雪が舞いそうな、どんよりとした曇り空。にもかかわらず、湖上には、釣り糸を垂らす何艘もの手漕ぎボートが見える。実は西湖では、環境保全の観点から釣り船は手漕ぎボートが主流。コマセ(まき餌)も禁止しているという。

ヒメマスイメージ05雪が降りそうな冷たい風の中、ヒメマス釣りのポイントに向かった。

釣り船業を営む三浦浩一さんがボートを出してくれるというので喜んで乗せてもらった。が、すぐに「こんな軽装で来るべきじゃなかった」と後悔した。それほど、湖上は寒い。三浦さんによれば、「この時期の出船は6時半。まだ暗いのですが、みなさん元気に出掛けて行かれます。狙いはもちろんヒメマス。ヒメマスは一人につき30 匹までと1 日の釣果を制限しているのですが、それを超えて釣れることは滅多にない、本当に貴重な魚です。でも、だからこそ、心魅かれるというか、挑戦し甲斐もあるんでしょうね。帰港時間の16 時まで、目いっぱい楽しんで来られる方がほとんどです。年が明けると禁漁になることもあり、この時期、平日でもお客さんは少なくありませんよ」とのこと。「この寒さの中でよく頑張りますよね」と言うと、「実は、すっきりと晴れた暖かい日よりも、曇っている日や風のあるとき、雪が降っているときの方がよく釣れるんですよ。もっとも、初心者の方にはお勧めしませんけどね。そうだなぁ、10 月頃なら暖かいし、湖上から周囲の紅葉の景色も楽しめるんで、その頃またいらしたらどうですか?」と笑う。
釣り船に近づき、「釣れますか?」と声を掛けると、釣果を掲げて見せてくれた。25cm ほどの美しい魚。銀色の体がキラキラと輝いている。「あれがヒメマスですよ」と三浦さん。その瞬間、ヒメマスに魅せられ西湖に通う釣り人の気持ちがわかったような気がした。

ヒメマスイメージ06ご夫婦でヒメマス釣りを楽しむ。寒さもなんのその。
ヒメマスイメージ07釣り上げたヒメマスを見せていただいた。大きい!

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●西湖での釣りに関するお問い合わせは…
西湖漁業協同組合 TEL 0555-82-3456
http://www17.plala.or.jp/saikogyokyou/index.htm

ヒメマス料理は、西湖、本栖湖周辺の飲食店や民宿、ホテルなどでお楽しみいただけます。

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