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天の食楽

富士桜高原麦酒


天の食楽 富士桜高原麦酒

富士桜高原麦酒

富士桜高原麦酒イメージ

富士山の水で作る、ドイツスタイルの本格派ビール

緑豊かな樹海の真ん中を、富士山に向かって伸びる富士スバルライン。その入口に、富士桜高原麦酒の醸造所がある。
「ビールは、麦を発芽させた麦芽(モルト)を、糖化・発酵させ、熟成させて作ります。原料は麦芽とホップそして水と、いたってシンプル。ところが、麦芽の配合や、糖化や発酵の温度、熟成期間などに変化を加えることで、実にさまざまな味わいを生み出すことができる、とても繊細で奥の深い飲み物でもあるんです。」
と話す宮下天通さんは、本場ドイツで百年以上の歴史を誇る「デーメンス醸造専門学校」にビール作りを学んだ醸造士。富士桜高原麦酒の醸造責任者として、モルト選びから、仕込み、発酵、熟成、出荷時期の見極め、さらには製品化まで、一切を取り仕切っている。

宮下天通( ひろみち) さん01 宮下天通( ひろみち) さん02
“テンツーさん” の愛称で親しまれる、富士桜高原麦酒 醸造責任者の宮下天通( ひろみち) さん。
併設のレストラン シルバンズで、お客様から声をかけられ、ビールについて語りあうことも。
「良いことも、悪いことも、お客様の素直な声は最高の励みになりますね。

「実は、オープン当初はドイツからブラウマイスターが来日して、ビール作りの道筋を作ってくれたんです。約3 カ月間、僕らは、彼の指導のもとでビールを作り、帰国した後も教えを忠実に守って彼のビールを再現し続けた。ところがあるとき、うっかり糖化の温度を2度ほど上げすぎてしまったんです。僕の単純ミス。しまった!と思ったけれど、もうどうにもならない。うちの仕込み釜は、1回で2,000 リットルを仕込むんですね。それを全部無駄にしてしまったと思ったら、それこそ、背筋がぞっとしましたよ。でも、どうせ取り返しがつかないならと、試しに最後まで醸造してみたところ、これが意外にも出来が良く、目指していたドイツビールにより近い味わいに仕上がった。今思うと、ブラウマイスターは滞在期間が短かったこともあって、最初のレシピには、気候や風土、水の違いが、充分に反映されていなかったのかもしれませんね。」
この一件により、「ドイツでのレシピや工程を再現するだけでは、ドイツと同じビールは作れない」と気づいた宮下さん。そこから、さまざまなミネラルが豊富に含まれた富士山の伏流水を活かし、富士北麓の気候や風土に合った方法で、最高に旨いドイツスタイルのビールを作るという挑戦が始まった。

発酵タンク
発酵タンクの麦汁に酵母を添加すると、糖分がアルコールと炭酸に変わり、発酵が始まる。発酵が進むと、上部に泡の層ができ、室内には、フレッシュな香りが充満する。この泡の層が、雑菌を寄せ付けないバリアの役目も担ってくれるという。

常に「美味しい!」と思っていただけるビールを作るために・・・

現在、富士桜高原麦酒では、ラガービールのルーツといわれる“ピルス”、フルーティな香りと上品な味が特徴の“ヴァイツェン”、そして、スモークした麦芽を原料とする深い味わいの“ラオホ” というオープン当初からの定番ビールと、春先のさくらボック、クリスマスのヴァイツェンボックなど、8 種類の期間限定ビールを醸造している。期間限定ビールは、すべて宮下さんのオリジナル。さらに、定番の3 種についても、「常に美味しいと思っていただけるビールを提供するため、」モルトを変えたり、醸造過程での温度や時間を調整したりして、随時マイナーチェンジをしているという。

荷時期を見極める宮下さん 乾燥させたモルト
貯酒タンクで低温熟成される間も発酵は進む。味や香りがまろやかになり、炭酸ガスが自然添加されると、いよいよ新しいビールの誕生。味、香り、色をチェックし、出荷時期を見極める宮下さん。最高の状態で飲んでもらうため、一切妥協はしない。
麦芽を乾燥させたモルト。富士桜高原麦酒では、ドイツから直輸入している。写真は、ラオホに使用している、乾燥時にスモークした麦芽。口に入れると、香ばしさとかすかな苦みが感じられる。

「ビールを作るとき、まず出来上がりをイメージするんです。どんな味で、どんな色で、どんな香りがして、のど越しがどうで、アルコール度数はどのくらいで…と。で、そのイメージに沿って、モルトは何を使うのか、どの程度まで粉砕するのか、糖化の時間はどれくらいか、どんなホップをどれだけ加えるのか、何度で何日間発酵させるか、熟成はどうかなど考えていく。ところが、実際にはモルトひとつとっても、麦の種類、ロースト状態などによってたくさんの種類があり、それぞれ特色があるんです。もちろん、モルトだけじゃありません。
全部の工程で、いくつもの選択肢がある。その中から、ベストと思えるものを選択していくというのは、とても難しい作業ですし、それ相応の勇気もいる。初めてのレシピを仕込むときには、今でも手が震えるほどです。でも、だからこそ、イメージ通りのビールができたときにはしびれるほど嬉しくて、たまらない気持ちになる。そして、そうやって作ったビールを飲みながら、また挑戦したくなるんです。」

毎日チェック タンクから直接グラスへ
「ビールがお客様の口に入るまでが、僕らの仕事」。シルバンズで提供されているビールも、毎日チェックし、品質管理に努めている。
醸造所の貯種タンクから直接グラスへと、できたてのビールがサーブされる、併設のレストラン シルバンズ。

この場所で、自分達でなければできない、富士桜スタイルを作っていきたい

1998 年のオープンから13 年。富士桜高原麦酒は、国内最大のコンテスト「ジャパン・アジア・ビアカップ」で13 年にわたって連続受賞を続け、世界最大のビールコンテスト「ワールド・ビアカップ」でも数々の受賞を果たしてきた。訪れたドイツ人から、「ドイツよりもドイツらしいビールを日本で飲めるとは思わなかった」と賞賛されたこともあった。けれど、満足してはいない。もっと旨いビールを作りたいという。目指すは、ビール作りを学ぶために訪れたミュンヘンで、最初に飲んだ一杯のビール。「ただ味がいいとか、のど越しがまろやかだとかっていうんじゃなく、作り手の思いがビンビン伝わってきて、身震いするほど旨かった。
あのとき、いつかこんな風に思いが伝わるビールを作りたいって、心から思ったんですよね。」

宮下さんが追い求めてきた、「作り手の思いが伝わるビール」。その答えは、もしかすると、今、宮下さんが作りたいと思っているという「この場所で、自分達でなければ作れない“富士桜スタイル”」にあるのかもしれない。一体どんなビールが生まれるのだろう。完成が待ち遠しい。

宮下さん

「僕らの作るビールは安くない。お客さんは、それ相応のお金を出して、一杯のビールを楽しんで下さっているんです。それは時に、がんばった自分へのご褒美だったり、明日への活力を生む決意の一杯だったりすることもあるはず。そう考えたら、妥協はできないし、したくない。自分達が気持ちを曲げたら、それこそ失礼ですから。」

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●富士桜高原麦酒
http://www.fujizakura-beer.jp/index.php

●自家製ビールとガーデニングのレストラン シルバンズ(富士桜高原麦酒併設)
住所:南都留郡富士河口湖町船津字剣丸尾6663-1
TEL:0555-83-2236 FAX:0555-20-3866
営業時間:11:30 ~ 22:00 定休日:木曜日
http://www.sylvans.jp/

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